先日の朝日新聞「天声人語」に興味深い話が載っていました。
話の内容は嗅覚と認知症の関連を示唆したもので、要約をご紹介すると、
「アメリカで行われた研究でレモンやガソリンなど12種のにおいを平均80歳の約600人に嗅がせたところ、そのにおいが判別できなかった人ほど後々認知力が落ちる傾向にある。それを受けて大手化粧品メーカーのパヒューマーは素人考えとしながらも、『においの刺激を繰り返し与えることで老化に対抗できるのではないか』と提案する」というものです。
加齢に伴う五感の衰えは避けることができませんが、目が見えづらくなるとメガネを、耳が聞こえづらくなると補聴器で補うことができます。しかし、嗅覚の衰えを補う道具は今のところありません。
生活に必要な外部からの情報は大半が目と耳から入ってきます。そのため目や耳の衰えには敏感ですが、嗅覚の後退はなおざりにされがちです。
動物にとって食べることは生きることであり、食に対する執着が薄れると生への執着が薄れてきます。
食べることは五感をフルに活用しています。
見た目、音、食感を楽しみ、そして味わうわけですが、味を判別するのは舌だけではありません。
オレンジジュースとりんごジュース明らかに違う飲み物ですが、一度鼻をつまんで飲んでみてください。どちらがどちらかわからないものです。
風邪を引いたときに味がわからなくなる経験をお持ちの方も多いと思いが、味わうためには味覚だけでなく嗅覚は重要な器官です。
人類の歴史の中で世の権力者は不老不死の妙薬を捜し求めました。
医学が進んだ現在、死ぬことより、よりよく生きることに重点が置かれています。
先進国では急激なスピードで高齢化が進んでいます。近い将来、嗅覚は高齢社会を支える立役者となるかも。
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