クリスマス、大晦日、お正月と何かとイベントの多いこの時期、「この香りを嗅ぐとお正月を過ごしたおばあちゃんの家を思い出す」といったように、人それぞれ、思い出とつながる香りをお持ちだと思います。
香りによって記憶が引き出されることをプルースト効果といいます。
鼻がキャッチした匂いの情報はインパルス(電子信号)となって脳に伝わります。
香りの情報は、記憶をつかさどる「海馬」や、情動(快・不快に感情)を司る「扁桃体(アーモンドの形をしているのでこう呼ばれます)」を刺激し、自律神経にも影響を及ぼします。
香りによって気分が左右されたり、記憶が呼び起こされるのはこのためです。
香りは記憶の扉を開ける鍵のようなものです。
新しい年に向かって、これまでの悪しき習慣を改めようとお考えの方もおられると思いますが、悪しき習慣ほど断ち切るのは容易ではありません。
一念発起、年の初めに今年の目標をたててみても、松の内が明ける頃には元の木阿弥という方もおいでだと思います。
そこで登場するのが香りです。
現在人はストレスの中で生きているようなもの。
悪しき習慣の背景にメンタルヘルスがあります。
意味もなくイライラ、クヨクヨしたり、それを慰めるために悪しき習慣に走る、そして落ち込むといった悪循環を繰り返してしまいます。
そんな衝動を抑えたいときには癒しの香りを験してみてください。
それともうひとつ誓いを立てるとき、その誓いを香りによって印象づけてください。
そして意志がくじけそうになったときはその香りを嗅いで、誓いを立てたときの自分を思い出してください。
3日坊主が3ヶ月坊主ぐらいにはなるかも…
【豆知識①】
プルースト効果とは、20世紀初頭の文豪マルセル・プルーストによって著された小説『失われた時を求めて』から生まれた言葉です。
紅茶に浸したマドレーヌの香りによって、幼少期に家族と過ごした街の記憶とともに夏の思い出が蘇ってくるといったストーリーにちなんで、香りのよって記憶が引き出されることをいいます。
【豆知識②】
海馬、扁桃体、自律神経を含む脳を大脳辺縁系と呼び、本能的な行動を司っていることから「本能の脳」と言われます。大脳辺縁系を覆うようにあるのが大脳新皮質。新皮質は人間としてよりよく生きるための行動を司っていることから「知性の脳」いわれています。
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