アロマ歳時記

香り美人

090616美人薄命の如し、若くしてこの世を去った大女優マリリン・モンローは
「何を着て寝ていますか?」というインタビューに対して『シャネルの5番』とセクシーな名言を残しています。
 
英語では香水をつけることをwear(着る)といいます。
欧米人が香水をつけるのは服を着るのと同じ感覚であり、ファッションセンスのように、自己表現と考えています。
日本人の多くは何も香らないのを「良し」とする傾向がありますが、欧米人は香りによる個性をとても大事にします。

初めてあった人に対する第一印象はおよそ10秒前後で決まるそうです。
情報の多くは視覚を通してインプットされます。
「見た目」は個人を評価する上で大部分を占めてしまいます。
気の毒にも「強面の気弱な人」はとても損をしてしまいます。
視覚情報に比べると嗅覚情報の占める割合は少ないと言われていますが、それは日本人が香りの自己表現に慣れていないからではないかと思います。
香りをうまく使いこなすことで、「こう見られたい」「こう思われたい」という自分を印象づけることができます。
活発そうに見える人から「甘いフローラルな香り」が漂えば、「意外とおしとやかなんだ」と思ってもらえるでしょうし、「ふわふわしている」ように見える人からシプレー系の香りがすると「意外と落ち着いているんだ」と思ってもらえます。
そして何より好きな香りに包まれていると、自分自身が癒され、前向きな気持ちになれます。
なりたい自分に近づくことができます。
日本人は「皆同じ」が好きな国民です。
ファッションからメイクに至るまで、流行に載せられ、個性が感じられない方も多く見受けられます。
人と同じという安心感は捨てがたいものがありますが、すべてが同じではせっかくの個性が死んでしまいます。
せめて香りぐらいは流行に踊らされずに、オンリーワンでありたいものです。

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2009年6 月16日 (火) カテゴリー: フレグランスアロマ | 個別ページ | コメント (0)

香りで会話

日本を代表するバラのブリーダー(育種家)で、『日本の薔薇の父』といわれた故鈴木省三氏はバラと会話ができたといいます。バラ園に筵を敷いてバラと寝起きを共にするほど、バラを愛し、バラに生涯を捧げた人です。誰よりもバラが何を望んでいるのか理解しておられたのだと思います。

080605植物は人の言葉を理解できるのか?
「美しく咲いてね」と優しく声をかけ続けていると花は美しくに咲きほこりますが、「コンチクショウ」と罵声を浴びせられた花は咲かないそうです。

植物が人の言葉を理解するかどうかはさておき…
植物同士は会話しています。
植物にとって言葉にあたるのが香り。
森のすがすがしい香りとして、人のストレスを軽減させる働きがあると考えられているフィトンチッド。害虫や菌から植物自身が身を守るために揮発する芳香物質ですが、情報伝達物質でもあります。
虫に食われそうになった植物は虫を遠ざける香り物質を発散し、自らの身を守ると同時に、仲間たちに危険を知らせます。周りの植物はこの匂いを感知して、葉を固くしたり、苦味を作り出したりと防御体制に入るそうです。

人には自分の気持ちを伝える言葉がありますが、言いたいことが正確に相手に伝わったか、言葉通りに相手は受けとめてくれるかどうかは別の話し。目は口ほどにものを言うともいいますが、聞き手は五感を通して、話し手の真意を汲み取ろうとします。

満面の笑顔で「ようこそお越しくださいました」と言われても、玄関先には靴が散乱している、おまけになんだかイヤな匂いもすると、本当に歓迎されているのかどうか疑わしくなります。
外見はいくらおしゃれに装っていても、体臭が匂うと「ステキな人」とは思えません。

多少のことには目をつむれても、鼻は正直です。どんなに忙しいときでも、香りには気を配りたいものです。

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2008年6 月 5日 (木) カテゴリー: フレグランスアロマ | 個別ページ | コメント (0)

官能的な香り

アロマテラピーで使われる精油は植物由来のものですが、香水の調香には鉱物由来、動物由来の香料が使われています。080430aroma
動物由来の代表的な香料にムスクやアンバーグリスがあります。

ムスクはヒマラヤ山麓、中央アジアに生息する麝香鹿(ジャコウジカ)の雄の香嚢(こうのう)から得られます。香嚢は糞尿をさらに強烈にしたような香りですが、ほんの少しだけ用いることで、香りに深みと広がりが出てきます。

フランス皇帝ナポレオンの皇妃ジョセフィーヌはムスクが大のお気に入りだったようで、寝室はムスクの香りに満ちていました。しかしナポレオンはこの香りが苦手だったようで、離婚の原因はこの香りにあったとも言われています。

天然のものは大変高価ですが、この香りが合成できるようになってからは、魅惑的な香水には欠かせない香料です。80年代ムスクの一大ブームがおこりました。この時代に青春時代を過ごした人にとっては懐かしい香りです。

香りには動物の本能を刺激する作用があります。動物系香料ほどではないにしろ、植物系の精油も性的感情を刺激するものが多くあります。

バラやネロリといった花から採れる精油は、上品な色気を感じさせてくれます。シナモンやクローブなどのスパイス系は情熱的です。バジルやタイムなどのハーブ系は知性の中にエロスを感じます。サンダルウッド、パチュリーといったオリエンタルな香りは大地に抱かれているような安らぎがあります。
感情の出発点はちがいますが、生命体としての欲求をコントロールしてくれます。

好きな香りで魅惑的は自分を表現してみるのも楽しいですね。

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2008年4 月30日 (水) カテゴリー: フレグランスアロマ | 個別ページ | コメント (0)

香りをまとう Ⅱ~オリジナル香水を作ってみましょう~

香りはパヒュームからオー・デ・コロンまで様々な呼び名がありますが、この違いは濃度です。専門的には「賦香率」と言いますが、香水に含まれる香料の濃度によって分類されています。
0412aroma香水(パルファム)といわれるのは香料含有が15%~25%以上のもので、オー・デ・パルファムは10%~15%、オー・デ・トワレは5%~10%、オー・デ・コロンは3%~5%と順に濃度がさがってきます。
そして濃度に比例して香りの強さ、持続時間が短くなっていきます。
香りの系統はフローラル、シプレー(グリーン)、シトラス、オリエンタルに分類されます。
洋服がその人のキャラクターを表現するように、香りもそれぞれの個性を印象付けます。
周囲の人に思われている自身のキャラクターを変えたいとき、外見や洋服のラインはそうそう簡単に変えられませんが、香りなら手軽になりたい自分、思われたい自分を演出することが出来ます。香りはすてきな脇役を演じてくれます。
香水は時間とともにつけた時と香りが変化していきます。それは体臭と交じり合っていくことと、香りたちによって漂う香りが変化していくことにあります。これを「ノート」と言います。もともと「ノート」とは音楽用語で「楽譜・音符」といった意味ですが、香料では「香調」をさす言葉として使います。

☆精油を使ってオリジナル香水を作ってみましょう☆
用意するものは精油(5種類ぐらい)、無水エタノール(薬局で売っています)、ガラス容器(遮光ビンが望ましい)。
オード・パルファムを作る場合、10mlの無水エタノールをガラス瓶に入れ、精油を合計20~30滴(賦香率10~15%)加えていきます。
使う精油の種類やそれぞれの滴数は自由です。
精油の種類は多ければ多いほど複雑な香りになりますが、ビギナーは5種類前後の精油を組み合わせるのが無難です。
滴数は香りの重い精油は控えめに、柑橘類など香りの軽い精油は多めに入れると良いです。
精油を入れ終えたら、ゆっくり攪拌させます。冷暗所に保管して、一日1~2回ゆっくりと瓶をふって香りの熟成を促します。
2週間ぐらいこの作業を繰り返したら完成!
ブレンドのコツは好きだからといって同じ系統の香りばかりを使うと、単調な香りとなって面白みが少ないです。
また同じ香りたちのものばかり組み合わせても良い香水はできません。「香りたち」の異なる精油をバランスよく調香してください。
多少、ちぐはぐな組み合わせであっても、本当に自分が欲している香りであれば、きちんとまとまります。
精油にはお互いプラス面を強調しあい、またマイナス面を消し合ってくれる不思議な力があります。

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2007年4 月12日 (木) カテゴリー: フレグランスアロマ | 個別ページ | コメント (2)

香りをまとう Ⅰ

重いコートを脱ぎ捨て、軽やかな春の装いに近づくにつれ、香りを楽しむ季節が始まります。
0405aroma01 香りの歴史は私たちの遠い先祖が火を使うことを覚えたときから始まります。香りは悪霊や疫病を追い払う力があると信じられて、宗教的な儀式に使われていました。そして古代ギリシア時代に入り、「良い香り」は心と身体に安らぎをもたらすものとして、香油でマッサージするなど美容・健康に用いられるようになりました。
香水の原型は17世紀末頃、ハンガリーで流行した「ハンガリアン・ウォーター」だと言われています。
手足の痛みに苦しんでいたハンガリーの王妃に捧げられたこのウォータは「若返りの水」として大評判を呼びました。
その後、ドイツのケルンに移り住んだイタリア人「フェミニス」によって現在の「香水」の前身ともいえる「香り水」が創出されました。オレンジエキスをアルコールで溶かし、「オー・アドミラブル(すばらしい水)」と名づけ売りだされ、のちに「ケルンの水」と呼ばれるようになりました。当時ドイツを占領していたフランス軍の兵士が妻や恋人にお土産として持ち帰ったことによって、瞬く間にフランスに広がり、フランスを「香りの大国」に導きました。
「オーデ・コロン」の語源は「ケルンの水」という意味です。
0405aroma02 現在の香水は、熟練したパヒューマー(調香師)が何万種類とある人工香料を駆使して万人に好まれるように調香されます。
価格と安定供給のため人工香料が使われていますが、香水の始まりは植物から取れる天然の香料をアルコールで希釈したものだったのです。
人工香料とちがい天然香料、しかも植物香料だけを使って作った香水は香りもほのかで、風立ちとともに香るといった奥ゆかしさがあります。
アロマテラピーの面白さはブレンドにあるということを何度かお話しましたが、精油を使った香水づくりは自分好みの香りを創造する楽しさに加え、世界で一つだけの香りをまとう楽しさを合わせ持っています。

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2007年4 月 5日 (木) カテゴリー: フレグランスアロマ | 個別ページ | コメント (1)

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