梅は春を告げる花の代表であり、常緑の松、竹と並んで慶事を象徴しています。
御所には「左近の桜」「右近の橘」が植えられていますが、もとは桜ではなく梅が用いられていました。
梅は渡来植物であり、今風に言うならば、唐からの輸入品ですので、自邸の庭に梅の木があるということは、身分の高さの証しであり、貴族の中でもさらに限られた人にしか許されていませんでした。
誰でも春の訪れは心浮き立つものですが、「もののあわれ」と「はかなさ」に美意識を見出していた平安王朝の貴族にとって、自庭に可憐に咲く花と馥郁(ふくいく)たる香りに春を感じることは、ごく限られた特権階級の中で生きているという証しであり、梅は彼らにとって特別な花だったのです。
学問の神様で知られる菅原道真も自庭の梅を愛でることができる一人でしたが、藤原家の陰謀で九州大宰府に左遷されてしまい、再び都の土を踏むことなくこの世を去りました。
東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ の歌は遥かに遠い都と過ぎ去った雅な日々への断ちがたい想いが込められています。
※東風=こち
梅花の香りはジャスミンのような甘い香りのなかに、清々しい爽やかさが漂います。
「清楚」という言葉は、この花のためにあるのではないかと思うのです。
残念ながら梅花の精油はありません。
アロマテラピーは欧州が発祥ですので、西洋人にとって梅は花より実を楽しむものだったのかもしれません。
もし梅の香りを知らないという方は、大げさでなく、人生の楽しみを逃しているとしか思えません。
関西にも梅の名所はたくさんありますので、ぜひ本物の花の香りを楽しんでください。
写真;中山寺梅林公園
阪急電車宝塚線「中山」駅下車、目と鼻の先
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梅って、少しだと香りに気づきにくいですが
梅林のようにた~くさん咲いていると
独特の優しい香りに気づけるような気がします。
梅は渡来モノですが、そういうのも含め
日本古来からあるようなモノの方が
欧米モノより奥ゆかしい感じの香りを持つものが
多いように思いますが、どぉでしょうか?
そういう奥ゆかしく優しい香りのものって
どんな種類があるんでしょうか?
投稿情報: かきょう | 2007年2 月15日 (木) 13:27
服部緑地公園で梅を愛でてきました。子供のころ自宅の庭に梅の木があり、毎年花が咲くのを楽しみにしていて、私の好きな花の一つでしたが、平安貴族にとって特別の花だったと聞いていたからか、ますます美しく感じました♪
投稿情報: ごん | 2007年2 月25日 (日) 17:24