人はなぜ花を愛でるのか?
これには諸説あるようですが、人類が本能的に持っている「美学」と文明の発達によって生まれた「美学」によって美の基準が生まれ、美しいものを愛する心が芽生えました。
幾万種ある花の中でも、最も愛される花はバラ。バラは現代人が「美しい」と感じるすべての要素を兼ね備えた植物といっても過言ではありません。
バラは西洋の花というイメージがありますが、原産はヒマラヤ。そこから東西に広がり、その土地の気候風土に合わせて交雑を重ねてきました。
より美しいバラを誕生させるため、19世紀から現在に至るまで、交配による品種改良が行われています。現在バラの種類は2万種を超えるともいわれています。
ちなみに自然界でおこるかけ合わせを交雑といい、人為的に行うものを交配といいます。
バラの美しさの基準のひとつが高芯剣弁咲き。
高芯とは花弁が中心からむけるように開いて、中心の芯が高いもの。剣弁とは花弁が外側に反っていて、先端の尖っているものをいいます。
バラの品評会場では出展者たちが朝早く花びらの先を麺棒で巻き込んで形を整えるといった涙ぐましい努力をして、丹精こめたバラの品評に望むそうです。
バラのお話を聞かせてくださったのが、数々のバラの展覧会で審査員を務めておられる、蓬田勝之氏。氏は日本を代表する化粧品メーカーでパフューマリーケミストとして活躍された方であり、世界で始めてバラの香りを6種類に分けた香料分析のスペシャリストです。
「朝露の中で開花の瞬間を待つバラの香りが最も美しい。美しい香りとは『そばに漂っていても邪魔にならない香り』『心地よいと感じられる香り』」と氏は言います。
一緒にいるだけでほっとする人、そこにいるだけで場がぱっと明るくなる人は誰からも愛されるように、「美しい香り」はそこにあっても違和感がなく、包み込むような優しさや和みがあります。調香は素人が簡単にできるものではありません。化学的な知識だけでなく、美に対する感性、そして何より大切なのは人としての優しさかもしれません。
近郊のバラ園へのアクセス
伊丹市荒牧バラ公園 http://www.itami.or.jp/kankou/natural/rosepark.html
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